「立子句集」
角川書店「増補 現代俳句大系」第2巻(昭和56年・刊)より、最後の15番めの句集、星野立子(ほしの・たつこ)「立子句集」を読みおえる。
原著は、昭和12年、玉藻社・刊。
月別にし、さらに季題別に収録。
彼女は高浜虚子の次女で、結婚後すぐに作句を始め、環境にも恵まれて頭角を現した。のちに俳誌「玉藻」を発刊・主宰した。
上品な奥様風な所があるが、2・26事件など戦争へなだれて行く殺伐な時期に、かえって貴重だったろう。
この句集の1,232句は、ふくよかな所があって、読み進むのに苦しまなかった。
以下に5句を引く。
あばれ独楽ぬかるみにはね子等の春
下萌に立ち止りたる別れかな
花木瓜や暗くなるまであそび居る
数本の竹折れ込めて出水川
細々と月にさし出し枯枝かな
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