藤井則行「おしずかに」
福井市にお住まいの詩人・藤井則行さんが、選集も含め8冊めの詩集、「おしずかに」を送って下さった。
「新・北陸現代詩人シリーズ」の1冊として、能登印刷出版部より、2011年3月に発行された。
全体はⅢ部に分かれ、Ⅰは主として自分のこと、Ⅱは主として子どものこと、Ⅲは母のことを題材にした、と「あとがき」にある。
彼は教職を定年で去り、Ⅰでその日常の有情を描く。
Ⅱでは、お孫さん(?)や自身の少年時代を描いて明るい。
Ⅲでは、題名ともなった作品「おしずかに」で、来客を見送るときに「どうぞ おしずかに」と挨拶するなど、つつましやかな母の生と、100歳で亡くなるまでを描く。
中の、「成るか成らぬか 成らねば切るぞ」と成り木責めにあう柿の木に、女の一生を見る「成り木責め」が印象深い。
彼は「ふくい児童文学会」代表を務めるなど、児童文学への貢献も大きい。
コメント