歌誌「歌壇」8月号
特集は、「短歌にみる戦中戦後の母たち」である。
戦後生まれの世代の僕としては、戦時中の悲惨さは、もう措いてよいのではないかと思う。
それより、戦後民主主義の行方、戦後文学の栄光と衰退、などに関心がある。
また俵万智や村上春樹など、新しい文学にも惹かれる。
短歌において、すべてのレトリックは空しい、と僕は感じる。東日本大震災の事態と映像に、歌は詠めても、レトリックによる付加価値や、美の発見は、ありえないと思う。
短歌において、「新と真のどちらを取るか」という問いがあるけれど、僕は真を取って、少しずつ短歌を詠みつづけたいと思う。
最初の話題に戻るが、戦前戦中の文学は、新しい戦前を迎えた時、僕たちがどうあるべきかの参考問題となるだけである。
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