木津柳芽「白鷺抄」
角川書店「増補 現代俳句大系」第2巻(昭和56年・刊)より、12番めの句集、木津柳芽(きづ・りゅうが)「白鷺抄」を読みおえる。
原著は、昭和15年、三省堂・刊。
自序に、「私は、私の道をしづかに踏みしめて行く、たとへ駈抜けて人は行かうと、私の心底には些かの動揺はない、……」とあるように、自ら信じることも篤かった。
また俳誌「馬酔木」発行に、事務方として長く支えた。
以下に5句を引く。
みちばたの蓮の実売や秋まつり
寒釣や去ぬとて放つ鮒すこし
桔梗やふみまよひたる道ながら
小庇にのぞく雪あり雛まつり
はたたがみ犬は眼をもて吾にたよる
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