金子光晴の自伝、「ねむれ巴里」を読みおえる。
中公文庫、昭和56年・再版。
同じ中公文庫で、彼の異国放浪記、「どくろ杯」、「マレー蘭印紀行」を読んできて、これで3冊めである。
あと「西ひがし」が残っている。
この本では、彼は妻とともに、パリの底辺で、安定した生活の資もないまま、さまよい生きる。
この放浪が、戦時中に唯ひとり反戦詩を書く強靭さを生むのだが、海外旅行の1度さえない僕には、その経緯がわからない。
最後に彼らは、旧知のベルギー人(会社を経営し、富裕)の援助で旅費を出してもらい、日本に帰国した。
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