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2011年11月28日 (月)

岡井隆「親和力」

 思潮社「岡井隆全歌集」第3巻(2006年・刊)より、4番めの「親和力」を読みおえる。

 原著は、1989年、砂子屋書房・刊。

 あとがきに「一体、歌集の作者って誰だろう」「なぜ『歌集』なのだろう」とある。

 彼の詠作があちこち曲がっている印象だが、作者の迷いか、試行錯誤か、僕にはよくわからない。

 以下に8首を引く。

今か沈む今か水漬(づ)くと怖れつつ煮えたぎるやうなにくしみは来(こ)ず

十あまり八年は過ぎどちらから声かけたやらそれさへおぼろ

伝票のながながしきを折りながらまだすこしあるだらう時間は

酒が来て肴が来(こ)ぬ間(ま)言ふべきか迷ひたれども一語言はずき

ワン・パタといふ短縮語またしても資本は遊ぶ海彼岸(かいひがん)まで

わづかづつ黄色になりて行く紙のいかなる歌に逢はば燃え立つ

学生のころ読みさしし小説を歳月をへて読みつぎて行く

暁闇が曙光へうごく浄き刻(とき)きみ亡(な)きのちもしぶとく生きむ

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