子規「歌よみに与ふる書」
今月17日の記事「歌書2冊」に挙げたうち、正岡子規の歌論「歌よみに与ふる書」を読みおえる。
岩波文庫、2007年31刷。
この本には、「歌よみに与ふる書」10章と、「あきまろに答ふ」、「人々に答ふ」、「曙覧の歌」、「歌話」、5編の歌論を収める。
「歌よみに与ふる書」を再読し、誤伝のある事などもわかった。また「七たび歌よみに与ふる書」の中で、以下の言葉がわかりやすかった。
「この腐敗と申すは趣向の変化せざるが原因にて、また趣向の変化せざるは用語の少きが原因と被存(ぞんぜられ)候。故に趣向の変化を望まば、是非とも用語の区域を広くせざるべからず、用語多くなれば従つて趣向も変化可致候」。
また「歌話」にて、「言霊の幸はふ国」という言葉を、やり込めている。
彼は短歌を、日本当代一流の文学に、世界文学の1つに、したかったのだろう。
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