J・アーヴィング「サーカスの息子」上巻
ジョン・アーヴィングの小説、「サーカスの息子」上下巻より、上巻を読みおえる。
新潮文庫、2008年・刊。
この前に読んだ彼の小説、「第四の手」(新潮文庫、上下巻)の紹介が、2011年9月3日の記事にある。
また「サーカスの息子」は、「第四の手」よりも古い作らしく(少なくとも、新潮文庫の刊行順では)、購入の報告が2009年1月17日の記事にある。
主人公ファルーク・ダルワラ(インド人でカナダ在住の整形外科医)がインドを訪れた時、インド映画の覆面脚本家でもある彼に関わる連続殺人事件が起き、(犯人はわかっているが)解決までのストーリーの中にテーマを忍ばせているらしい。
インドの描写やストーリーが雑駁である。作家の才能の旺盛さより、衰えかも知れない。
上巻の終り近く、主人公の奇蹟体験(その裏は、喜劇的に描かれている)や、苦行的なアメリカ人宣教師のポンペイ赴任の話など、作家のテーマは宗教的なものかも知れない。
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