堀田善衛(1918~1998)の小説「若き日の詩人たちの肖像」を読みおえる。
集英社文庫・上下巻、1977年・刊。
戦後「荒地」に集まる詩人たちの戦時下の様子を知られるかと読み始めたが、実は自伝的小説だった。
芸術方面は左翼から、のちの「荒地」グループに、芥川比呂志らのハイブラウ・グループまで。
付き合いは「宮様」から潜伏左翼まで。
読書はレーニンから平田篤胤まで。
上記のように、巾の広い人である。
上京して大学に入学してより、繰り上げ卒業で召集令状が来るまで、軍国主義でも右翼でもなかった青年の、暗い時代での彷徨が描かれる。
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