永井陽子「葦牙」
「永井陽子全歌集」より、初めの句歌集「葦牙(あしかび)」を読みおえる。
全歌集は、2005年、青幻舎・発売。
写真は、その表紙である。このブログの2009年2月16日の記事に、三月書房のネット通販より購入とあるので、読みはじめるまで3年余を待たせたわけだ。
「葦牙」は、1973年、愛知県立女子短期大学文芸部(彼女が卒業したばかりの大学)・刊。
97句、113首を収める。
俳句でも、進歩は速かったようだ。
例えば前後の句、
湖青し めくらの甲冑魚がはねる
海底の甲冑魚にも花明り
では後の作が、言葉がずっとなめらかだ。
最も好感を持ったのは、次の句である。
クマンバチが私の視線を折りに来る
しかし短歌の抒情が彼女に合った(角川短歌賞候補、短歌新人賞受賞)ようで、短歌の世界で活躍した。
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