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2012年6月26日 (火)

エッセイ集「母の加護」

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 「’86年版ベスト・エッセイ集 母の加護」を読みおえる。

 日本エッセイスト・クラブ・編、文春文庫、1989年・刊。

 先の6月13日のこの記事、「’85年版 人の匂ひ」で、非難がましい事を書きながら、実はその続きを読んでいるのだ。

 60編のエッセイのうち、最も感動した箇所は次である。2度めの癌手術を受けた歌人・上田三四二(うえだ・みよじ)は、「病後の読書」で次のように書いた。

 「読んで、何に役立てようというのではない。私はただ知りたかった。世のすぐれた人達がどのように考え、どのように生き、身につけた知恵のかぎりをどのように表現しているかを、味わいたかったのだ」。

 またこの本には、詩人のエッセイ、ねじめ正一「いきなり小谷クン」、長田弘「コーヒー屋で馬に出会った朝の話」、三木卓(小説家でもある)「ポケット」を収め、新鮮である。

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