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2012年7月21日 (土)

室生犀星「犀星発句集」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第5巻(昭和56年・刊)より、5番めの句集、室生犀星「犀星発句集」を読みおえる。

 原著は、昭和18年、桜井書店・刊。

 530句、季題別。

 犀星(1889~1962)の文学の出発は俳句であった。詩に転じ、小説に進んだが、句と詩を忘れなかった。

 季語にも捻ったものは殆んどなく、素直な句と思われる。巻末の「雑」の部に、銃後の吟17句がある。

 以下に5句を引く。

春の日のくれなんとして豆にえぬ

昼深く春はねむるか紙しばゐ

山やけて天つ日くらしきりぎりす

鯛の骨たたみにひらふ夜寒かな

ひよどりの痩せ眼に立ちて冬日なる

 没後発行の「室生犀星句集 魚眠洞全句」(1977年、北国出版社・刊)を、僕は持っているが、今は読む時がない。

Phm10_0566
ダウンロード・フォト集より。

本文と無関係。

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