浜本はつえ「斜面に咲く花」
県内にお住まいの詩人・浜本はつえさんが、彼女の第1詩集「斜面に咲く花」を送って下さった。
2012年7月、コールサック社・刊。
彼女は、水脈、詩人会議、福井県詩人懇話会、各所属。
原発があり、越前水仙の咲く海辺で育ち、老年を迎えようとしている。
第1章「わたしの越前」。彼女の父は漁の事故で亡くなり、母親は彼女を連れ、弟を実家に残して再婚。その弟が酷い目に遭う様を目撃した「海辺の墓」は哀れである。
浜昼顔に慰められた海岸線が工事によって荒れてしまった様を描く「浜昼顔」は大きな問題提起である。
第2章「夜の歌」では、比喩などを用いて、心の内を描く。「泥に棲(す)む魚」では、自分を「泥に潜り 獲物を狙う」海底の魚に喩えている。
第3章「踊りの時間」では、父母たちを思う作品、優しい視線を夫や孫たちに向ける作品、等がある。
「浜昼顔」(全4連)の、最終連のみを引く。
浜昼顔
(前略)
所在なく悲しかった日など一人浜に下りたち 海を眺めていると
その花はなびき
寄り添ってくれていたのに
浜昼顔の咲くところがもうない
浜本様、小生の拙い感想に、コメントを下さり、ありがとうございます。
これからも宜しくお願い致します。
投稿: 新サスケ | 2012年8月 1日 (水) 19:12
読んで御批評してくださりありがとう御座います。すごくうれしく思い、今後詩作の励みにいたします。
投稿: 浜本 はつえ | 2012年8月 1日 (水) 10:23