エッセイ集「ネパールのビール」
日本エッセイスト・クラブ編「’91年版ベストエッセイ集 ネパールのビール」を読みおえる。
文春文庫、1994年・刊。67編。
8月21日に紹介した、「’90年版 チェロと旅」に次ぐものである。
著名作家や大学教授など、社会的地位の高い人の、日常のひとコマ、ある場面の回想などが多くて、僕としては興浅い作品もあった。
田中博子(たなか・ひろこ)さん(主婦)の「筍」は、母の認知症が進んで行くさまに気づきつつ、優しい気持ちで接したいという思いに満ちている。
土屋繁子(つちや・しげこ)さん(当時・中央大学講師)が、「当世学生『本離れ』気質」の末尾で、「本の形態が不要になる時代、コンピューターに取って替わられる時代、などというものがいずれやって来たとしたら、」と記して、現在の「電子書籍の出現」を予言していたようで、興深い。
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