エッセイ集「母の写真」
日本エッセイスト・クラブ編「’94年版ベスト・エッセイ集 母の写真」を読みおえる。
文春文庫、1997年・刊。全61編。
9月10日にこのブログで紹介した、「’93年版 中くらいの妻」に続くアンソロジー・エッセイ集である。
全3章のうち、第2章は「母の写真」と題される。
全13編のうち、故人を偲ぶエッセイがほとんどを占める。三浦哲郎が師・井伏鱒二を語る「遺訓」、桶谷秀昭の「燃えつきた藤枝静男」、水上勉が太地喜和子を偲ぶ「駒込の勝林寺」、瀬戸内寂聴が武田百合子を語る「百合子さんの事」等々が続く。
自分の死後を願う、山田風太郎「ねがはくは」等も含む。
短歌で死者を弔う挽歌は、多く詠まれ、斎藤茂吉の連作「死にたまふ母」など、秀歌が多い。
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