春日井建「夢の法則」
砂子屋書房「春日井建全歌集」より、3番めの「夢の法則」を読みおえる。
原著は、1974年、湯川書房・刊。
3編の詩と、80首の短歌を収める。
短歌はすべて、第1歌集と同時期、つまり彼の17歳~20歳の時の作品である(解題等に拠る)。
短歌創作より遠ざかっていた彼の、若年時の作品への愛惜とともに、何らかの人間関係・経済的関係があったのだろう。
以下に4首を引く。
口を衝くなべてが怯えし声となる水ふくむ青き叢雲の下
水栽培の白き根毛に日がさして性を育む季節あかるし
純潔の時はみじかく過ぎ去らむわれに透過光するどき汀
今きみと歩みてあれば月のさす並木の影に熱中しゐむ
この全歌集の栞を読んだ。監修の4氏を含む8氏が追悼の文を寄せている。亡き歌人の、歌と人柄の美質を誉め讃えて。
本文と無関係。
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