詩誌「木立ち」第113号
福井県に在住の山岳エッセイスト、M迪男さんが、同人詩誌「木立ち」第113号を送って下さった。
2012年9月25日、木立ちの会・発行。
I秀子さんの「つう」は、女性の悲痛な愛を描く。全8連のうち、終連は、次のようである。「逝く時は 羽二枚あればいい/一枚は最後に脱がせてくれる脱衣婆の/髪留めにあげたいの/一枚は白羽の上で揺られながら/彼の岸へ渡って行きたい」。
K明日夫さんの「雨の柩」は、「風に吹かれて/一瞬と永遠がちょっとしょっぱかった」などの、キャッチーなフレーズを連ねながら、老いの影が差してきた(生の深さに触れている)ようだ。
O英人さんは、これまで続けたお道化路線を捨て、「酒樽、だから」では先鋭的な路線に返った。
M迪男さんのエッセイ「小広谷」は、6名での沢登りを記している。ベテラン同士で、行き帰りに川の流れを歩いて渡るなど、リアルなレポートである。
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