« ピラカンサスとウメモドキ | メイン | 詩誌「木立ち」第113号 »

2012年11月 7日 (水)

中山礼治「黄蜀葵」

Cimg6565 「コスモス」の先達歌人、中山礼治氏の第2歌集「黄蜀葵」を読みおえる。

 伊麻書房、1978年・刊。603首。

 箱、宮柊二・題簽、本体にパラフィン紙カバー。

 黄蜀葵(オウショッキ)とは、とろろあおい(1年草)で、和紙の糊料、漢方薬に用いる。

 中山礼治氏(1912~1998)は、中学校卒業後に一旦就職するが、23歳で国学院大学師範部に入学、教職の道を歩んだ。

 師範部の頃に「多磨」入会、1953年の「コスモス」創刊に参加。

 「自己を誠実に詠んだ」(三省堂「現代短歌大事典」より)とされる。

 以下に7首を引く。

午後着ける上州仁田の葱の泥雪降る日ゆゑ少し濡れたり

義仲寺の墓立ちめぐる生垣のかの山茶花や咲きつつあらむ

山腹にそよりともせぬ葛の葉に暑き時間はすでに来てをり

散りそめて萼の赤みの目にしるし山木にまぎれ行かむ桜は

邪魔として薊四五本を切り払ひ日暮れの妻が生き生きとをり

根元より掘りしすすきの株跡に今朝つくばふはぬくもる鳩か

いつのまかとろろあふひのつぼみたる夕べの庭におどろきて佇つ

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.mitelog.jp/t/trackback/238785/30223491

中山礼治「黄蜀葵」を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

ブログランキング

  • 応援のクリックを、よろしくお願いします。
  • ブログ村も、よろしくお願いします。

最近のトラックバック

ブログパーツ

  • ツイートをフォローしてください。
  • 3カウンター
  • アクセス解析

更新ブログ

Powered by Six Apart
Member since 04/2007

日本ブログ村

  • 日本ブログ村のリストです。

人気ブログランキング

  • 応援の投票を、お願いします。

アンケート