三木卓「野鹿のわたる吊橋」
集英社文庫、1998年2刷。
購入は、2010年9月2日の記事、「文庫本2冊」で、「BOOK OFF 米松店」で買った、とある。
2年余り待たせてしまった。
また彼は詩人であり(思潮社・現代詩文庫「三木卓詩集」の読了は、2011年5月7日の記事にあり)、しかしいわゆる詩人の小説のように、文章に凝り過ぎる事はない。
この小説は、男が女と出会い、性的に溺れて行くうちに、以前の恋人を捨て、老母を捨て、離婚した妹を捨て、会社を捨て、東京での生活を捨て、叔父を頼って北海道で暮らす事になる。
ある時代の、ある感性の世代なら、ありうるストーリーとして読み、キャッチコピーにあるほど際どい話とは感じなかった。
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