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2012年11月19日 (月)

石原吉郎「水準原点」

 花神社「石原吉郎全詩集」(1976年・刊)より、4番めの「水準原点」を読みおえる。

 原著は、1972年、サンリオ出版・刊。

 石原吉郎は、シベリア抑留を体験する事に由って、詩人となった。

 戦時日本の、シベリア抑留の、戦後日本の、倫理を問い続けて、人間的であった。

 彼のその後の詩と、彼の散文を読んでいない(彼の全3巻の全集に含まれる)ので、その心の経緯を僕は語れない。

 以下に、彼の短めの詩を1編、丸ごと紹介する。

  

  右側の葬列

    石原吉郎


その右側の葬列のため

ひたすらに その

ひだりがある

ひだりへ流れる

布の蒼白がある

蒼白のための

わずかな紅(くれない)がある

紅を点ずる

さいごの仕草がある

仕草をおさえる

おしころした手がある

その手ではじまる

葬列の右側がある

Phm10_0327
 ダウンロード・フォト集より、野の花木の1枚。

 本文とは無関係。

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