大野林火「早桃」
角川書店「増補 現代俳句大系」第5巻(昭和56年・刊)より、最終13番めの句集、大野林火(おおの・りんか、1904~1982)の第3句集「早桃」(さもも)を読みおえる。
原著は、昭和21年、目黒書店・刊。
第1、第2句集より121句、その後6年間の472句、後記を収める。
戦後すぐに、これまでの句集抄と合わせて句集を出版している事、角川「俳句」編集長時代に「社会性論議」をリードするなど、俳壇の遣り手らしく、僕は好感を持たない。
以下に5句を引く。
煙草喫(す)ふゆとり冬日の落つるまで
母と子に厨しづけし秋茄子
疲れしるく梅雨の電車の蒸れに立つ
焼トタン錆を流しつ梅雨つづく
炭熾(おこ)る匂ひ流れて日の出かな
本文とは無関係。
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