京極杞陽「くくたち 下巻」
角川書店「増補 現代俳句大系」(全15巻)の第5巻(昭和56年・刊)より、11番めの句集、京極杞陽「くくたち 下巻」を読みおえる。
原著は、昭和22年、菁柿堂・刊。
先の11月30日に紹介の、上巻に継ぐ。
高浜虚子・序文(上巻と同文)、266句、後記を収める。
この「くくたち」上下巻の内容は、敗戦前にほぼ定まっていたが、混乱の中でそのままになっていたものを、菁柿堂が出版したとの事である(上巻の自筆後記に拠る)。
下巻の昭和17年~20年(敗戦直後を含む)の句にも、全く戦争吟がなく、僕には驚きである。
以下に5句を引く。
秤置き駄菓子を売れる支那夜店
名刀ををさめし蔵に虫時雨
秋の夜を昼の如くに画きしゴホ
春空へ砂なげ上げてあそぶ子ら
若き画家雪の但馬の景をほめ
本文とは無関係。
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