石原吉郎「北條」
花神社「石原吉郎全詩集」(1976年・刊)より、6番めの詩集「北條」を読みおえる。
原著は、1975年、花神社・刊。
先の11月29日に紹介した、「禮節」に続く詩集である。
石原吉郎(1915~1977)にはこのあと、「足利」「満月をしも」の2詩集がある。
全詩集に載る、最後の詩集である。このあと、句集と未刊詩篇等を収める。
「北條」では、「一條」「北條」から始まる散文詩で、語感に頼りながら、詩を成り立たせている。
彼の郷愁が満たされた(彼の思いと、戦後日本の心情・風土には違和があったようだ)時期か。しかし言葉の上でだけの事かも知れない。
「痛み」という散文詩で彼は、「 最後に痛みは ついに癒されねばならぬ」と書く。最後まで癒されぬ痛みもあるだろうに。
本文とは無関係。
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