エッセイ集「うらやましい人」
日本エッセイスト・クラブ編「’03年版ベスト・エッセイ集 うらやましい人」を読みおえる。
文春文庫、2006年・刊。66篇・収録。
先の1月4日付け記事、「’02年版 象が歩いた」に継ぐ本である。
歌舞伎役者・松本幸四郎が「役を勤める」の末尾で、「しかし私は、すでに六十一年目の人生を、かなりワクワクしながら踏み出している…」と述べる。
またノンフィクション作家・高見澤たか子「いまを”ときめく”人たち」の中で、五十代、六十代の主婦で、フラワーアレンジメントを学んでヨーロッパへの花の旅に出かけるつもりである人、バレエの舞台に立つ人などが紹介される。
2篇は、還暦2歳の僕が励まされる内容である。
歌人・穂村弘の「別世界より」は、プライバシー暴露的なエピソードである。
イタリア語通訳・田丸公美子「私の東京・原点」は、昭和44年に東京外語大に入学しイタリア語を学ぶ彼女が、万博という機会を捉え、成功したストーリーである。
同年に大学に入学した僕が、勉学に励んで卒業していたら、別の人生を歩んでいたかも知れないが、とうに昔の話である。
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