エッセイ集「カマキリの雪予想」
日本エッセイスト・クラブ編「’06年版ベスト・エッセイ集 カマキリの雪予想」を読みおえる。
文春文庫、2009年・刊。
先の2月12日付け記事、「’05年版 片手の音」に続く本である。この2冊の購入を、1月30日付け記事で紹介してある。
フランス文学者・保刈瑞穂(ほかり・みずほ)の「クレソン」は、フランス文学者の文章は違うなあ、と思わせる香気・気品がある。
瀬戸内寂聴の「目白台のアパートの円地さん」は、円地文子との交流を描く。末尾近くに、川端康成をけなすような言葉(両名の、どちらの言葉か、ぼかしてある)があるが、故・ノーベル文学賞受賞者への嫉妬であろうか。
時実新子(川柳作家 故人)、鳥羽脩(元モルガン信託銀行社長 故人)など、職業の後に(故人)と付く作品がある。エッセイの紙誌への発表のあと、文庫化されるまでに亡くなった方である。メッセージが重い。
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