下村槐太「光背」
角川書店「増補 現代俳句大系」第6巻より、5番めの句集、下村槐太(しもむら・かいた、1910~1967)の「光背」を読みおえる。
今年1月19日付けの記事、「阿部みどり女『笹鳴』」に続く句集である。
原著は、昭和22年、金剛発行所・刊。
自序、340句、自跋を収める。
この句集も、彼の師・岡本松浜の遺句集「白菊」(この大系にあり)も、彼の手に成る謄写版刷りであった。
歌集・詩集の自費出版を引き受ける出版社は多く、クラス化(差別等級化)を図っている(出版費用がとても高い)ようだが、その2句集の評価は、その傾向に1石を投じるだろう。
以下に5句を引く。
花つけし黄楊の籬や踰えにけり
斑猫(はんめう)のをしへはじめし花のみち
露しげくなりし焦土や菜虫とる
一陣の風を仰げば白椿
青梅や昼もやす火の澄みとほる
本文とは無関係。
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