「リルケ書簡集 Ⅲ」
国文社、1977年・刊。
箱、帯、284ページ。
今年1月20日付け記事、「Ⅱ」に続く本である。
本巻の「ミラノの手紙 2」では、「旗手クリストフ・リルケの愛と死の歌」について、「秋のただ一夜のうちに、いわば霊感の嵐をうけて創られた…」と述べている。
また「リリアーヌへの手紙 12」では、「ドゥイノの悲歌」「オルフォイスへのソネット」、その他の作品が完成した1922年2月の奇跡的執筆を、「わたしは、このように襲われた感動の巨大な嵐を経験したことはありませんでした」と書いている。
僕の2010年6月13日付け記事「リルケ全集③詩集Ⅲ」で、その執筆を「霊感の嵐だったのだろう」と書いた事は、当てずっぽうでは無かったのである。
妻子を養えず、貴族とうのパトロン(スポンサー)を必要とした彼の生を、償う以上の作品群を遺した、と言えるだろう。
コメント