神子萌夏「白をあつめる」
県内にお住まいの詩人・神子萌夏さんの詩集、「白をあつめる」を、詩誌仲間・AUさんを通して受け取った。
2013年、ジャンクション・ハーベスト・刊。
ビニールカバー装だが、光の反射が強いので、写真では外してある。
「透き通ってゆく午後」、「植物系」に続く、彼女の第3詩集である。
作品「ひこうき雲」の第3連に「ふつかごとにリセットされるいのち/フィルターで濾過される/わたしの日々のいとなみ」とあるように、彼女は週3日の人工透析を受けている。
だから彼女は、生命にとても敏感だ。
「約束」で受胎を歌い、「草の香り」でバッタの余命を気遣う。
「ことばを探して」は、豊かなレトリックを用いた、優れた作品である。全6連の最終連のみを引く。
「ことばを探して」より
ことばは増えたのにうまく取り出せなくて
いまもわたしの海のなか
ひかる小魚たちが
ぐるぐるまわっている
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