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2013年4月10日 (水)

浅野美紀「嫩葉」

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 浅野美紀さんの第1歌集、「嫩葉(わかば)」を読みおえる。

 2007年、砂子屋書房・刊。

 彼女は「未来」会員。

 歌集は、近藤芳美氏への挽歌、「沙羅の花」1連16首より始まる。

 子供が幼い時代から、下宿して家を出る頃まで、妻・母の立場に安住できない心情を歌に仕立ててきたようだ。

 また短歌に写実ではなく、芸術性を求めているようで、詩性を強く感じさせる作品が多い。

 以下に7首を引く。

青い薔薇誰に向かって咲いている初雪の便り届く日暮れに

再会の切なき夜に薄墨の桜散りゆく帰れなき時

雨の前の重き空気をまといつつ夕暮れに煮る無花果のジャム

茸飯炊きあがるころ夕映えて枯れ芝に子はボールを蹴りぬ

桃の香の流るる部屋に長く居る無口な子との満月の夜

柿の葉の玉虫色に輝くを君と見ており冬のはじめに

ついさっき魚をさばいた指先で君のメールに返信をせり

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