「リルケ書簡集 Ⅳ」
国文社、1988年・刊。
箱、帯、281ページ。
先の同「Ⅲ」の紹介は、今年2月18日の記事(←リンクしてあり)にある。
リルケ(1875~1926)は、1922年2月、「ドゥイノの悲歌」10編、「オルフェウスへのソネット」55編、他を完成したあと、ヴァレリーの作品の翻訳等を成していた。
ここに収められた書簡は感興深い。
しかし併収された「ネルケ夫人へのナニー・ヴンダリー・フォルカルト夫人の手紙」、秘書だったジェニア・チェルノヴィトフによる「ライナー・マリア・リルケの最後の数か月」が、リルケの最晩年と逝去を描いて、感慨を起こさせる。
その「最後の数か月」に拠ると、伝説的に語られる通り、リルケは薔薇の棘が刺さった指の傷から、白血病が悪化して逝いたようだ。
最後に自作を1首。「コスモス」2013年1月号より。
アマゾンで詩人リルケの書簡集四冊を買ふ長く欲りゐき
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