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2013年6月23日 (日)

羽矢通子「青草の原」

Cimg7068 埼玉県・在住の歌人・羽矢通子さんの第2歌集「青草の原」を読みおえる。

 2007年、短歌新聞社・刊。

 彼女は「未来」会員、「葱」同人。

 第1歌集「羊の家」よりの、7年余りの作品を収める。

 戦争の経験があり、キリスト教に近く(歌集名は聖書より採られた)、反権力的な立場にいる。

 彼女が短歌の他にも、幾つか関わる事は、女性が解放される事の、困難さを示している。

 以下に7首を引く。


砥ぎ草の硬き木賊はすっぱりと伐られて山を出るときを待つ

病み重く君はメールを送りつぐ最期の手紙に「つよく死にたい」

ダイアナ妃を悼む花束鉄柵に溢れて蜂の羽音うるさし

毛繕いに余念なき猫かたわらにわが頸筋のしんしん痛む

歩み入る疎林の木陰足裏に関東ロームかすかに湿る

深海に目の光るとうメヒカリの胡麻ほどの目の硬い歯ざわり

冬の夜の道路計画説明に難民のごと集められたり

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