加倉井秋を「胡桃」
角川書店「増補 現代俳句大系」第6巻(1981年・刊)より、12番めの句集、加倉井秋を「胡桃」を読みおえる。
先の6月14日に、中村草田男の第4句集、「来し方行方」を紹介した記事(←リンクしてある)以来である。
原著は、1948年、白砂書房・刊。
富安風生の長い序、加倉井秋を(本命・昭夫、1909~1988)の1939年~1947年の作503句、自跋を収める。
口語の句が多く、破調もある。
建築デザインを本職としたので、構図の取り方に独自のものがある、とされる。
以下に5句を引く。
扉に倚れる電車の売娘稲は黄に
活けてある芒が呆けて独身寮
ふらここにたゞ腰掛けしばかりなる
万緑や防空服をもて勤む
鉦叩き応へる声のはるかなる
季節に合わせて。
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