蔵書より、プーシキン「サルタン王ものがたり」を読みおえる。
角川文庫、1969年・刊、稲田定雄・訳。
翻訳が行分け、連分けされているので、ことわってはいないが、詩篇であろう(解説には、翻訳を「原作通り詩の形で…」云々)。原文は、韻を踏んでいるだろう。
内容はメルヘン風な物語で、強いて読めば権力者や、奸臣や、庶民の強欲への批判が、読み取れないこともない。
ただメルヘンとして、楽しく読みたい。全6編。
未完の「雌熊ものがたり」は、ハイネの長編詩「アッタ・トロル」(1843年・発表)に通じる所があり、プーシキン(1837年・没)の遺志を継いだのか、共通の原話(民話)があるのか。
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