石橋秀野「桜濃く」
角川書店「増補 現代俳句大系」第7巻(1981年・刊)より、6番めの句集、石橋秀野「桜濃く」を読みおえる。
先の8月21日に紹介した、佐野まもる「海郷」の記事(←リンクしてある)に継ぐ句集である。
原著は、1949年、創元社・刊。
原著は句文集であり、約260句、随筆113ページ、感想、山本健吉(夫)のあとがき、を収める。
石橋秀野(1909~1947)は、貧と病に苦しみながら、厳しい句を遺した。「桜濃く」には、1938年~1947年の句を収める。
以下に5句を引く。
凧の尾の見えずなりたる空うつろ
桜濃くジンタかするゝ夜空あり
今朝秋や燠かきよせて干魚やく
放吟や高校生に春の泥
利休忌や靄にゆびさす東山
季節に合っているだろうか。
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