「ハイネ全詩集 Ⅳ」
全5巻の「ハイネ全詩集」より、「Ⅳ ロマンツェーロ」を読みおえる。
1973年、角川書店・刊。井上正蔵・完訳。
今年9月13日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「Ⅲ」に継ぐ本である。
月日をかけて、こま切れに読んで来たせいもあるだろうが、この詩集の統一したイメージが浮かばない。
彼は病気でほとんど寝たきりであり、無神論から信仰に復したと、「後記」で述べている。ただし「どんな教会、教派の束縛も受けたことはない」とも。
この503ページに及ぶ詩集の最後の長詩「宗教論争」でも、キリスト教・僧とユダヤ教・法教師の論争を想像で描いているが、ケリは付けていない。
数言で表わせる主張は望まないが、詩想の1つの趣意はほしい。
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