野見山朱鳥「曼珠沙華」
角川書店「増補 現代俳句大系」第8巻(1981年・刊)より、6番めの句集、野見山朱鳥「曼珠沙華」を読みおえる。
今月5日の記事(←リンクしてある)で紹介した、原田種茅「径」に続く句集である。
原著は、1950年、書林新甲鳥・刊。虚子の1行序、265句、後記を収める。
野見山朱鳥(のみやま・あすか、1917~1970)は、美術(絵画、版画)にも志を持ち、先達の川端茅舎と比較されたが、写生不足を批判されるようになり、「菜殻火」を創刊・主宰し、「生命諷詠」を掲げた。
「野見山朱鳥全句集」(1971年、牧羊社・刊)、「野見山朱鳥全集」(1990年、菜殻火社・刊)がある。
以下に5句を引く。
蝌蚪に打つ小石天変地異となる
蝶の渦眠うなりたる静臥時
身二つとなりたる汗の美しき
時雨れつゝわれ大阿蘇と雲に入る
曼珠沙華竹林に燃え移りをり
コメント