広部英一「苜蓿」
思潮社「広部英一全詩集」より、7番めの詩集「苜蓿」を読みおえる。
原著は、1997年、詩学社・刊。第9回「富田砕花賞」受賞。
今月19日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「愛染」に続く詩集である。
広部さんは、母親の早逝によって、詩の方向を定めた。詩を書く事によって、心の傷の癒し、罪障感の浄化をはかって来た。
そして、地域のトラウマを持つ後輩文学者たちを、文学創作による回復の契機を分かとうと、支援したのではないか。
日常生活を愛惜する思いはあっても、形而上の「逝いた魂」に深く関わって、生活詩を書くいとまが無かったのだろう。
1997年1月には、詩の盟友・南信雄さんを57歳の若さで亡くし、いよいよ亡き魂との交流の思いは、深まっただろう。
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