白秋「水墨集」「海豹と雲」
岩波文庫「北原白秋詩集」(下)」(2007年・刊)より、「水墨集」「海豹と雲」を読みおえる。いずれも抄出である。
今月21日の記事、「畑の祭」に継ぐ。
「水墨集」の序文にあたる「芸術の円光」で白秋は、「詩の香気と品位」「気韻」を主張している。
また「海豹と雲」(1929年・刊)において、「蛍に」では蛍に、「月光の谿」では月に、「鋼鉄風景」では鋼鉄の構造物に、神を視ている。
後記では「日本古神道の精神を此の近代に新に再造する」(孫引き)と述べるなど、かなり国粋的になっていたようである。
最後の詩集「新頌」(1940年・刊)は、編者・安藤元雄の判断で、この文庫本詩集に収められていない。
「海豹」(かいひょう)は、アザラシの事です。
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