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2014年3月 2日 (日)

結城文「光る手」

Cimg7560 結城文さんの第5歌集、「光る手」を読みおえる。

 2003年、砂子屋書房・刊。

 彼女は「未来」他・所属。

 もう余り力まなくても良いのではないか。夫を見送り、子供たちを巣立たせて、女性の一人暮しには、困難もあるだろうが。

 また短歌では、比喩などのレトリックを多用して、芸術性を高めようとしなくても、良いのではないか。芸術性を求めるなら、詩を書けば良い。

 短歌は個人の真実を表現して、救われてあれば良い。また救われるからといって、歌人もあまり無理をしてはいけない。

 お説教めいた事を書ける立場ではないが。

 以下に7首を引く。

海に向くベランダに椅子持ち出して遠き自分を見つめてゐたり

うつしみを抜け出しものか逃げ水の光となりてわれを呼ぶなり

歳末のスクランブル交差点 時代頒ちていとしき人人

炎昼の花びらうすき立葵わがトルソーを支ふ手あれな

切り捨てて君は歩めた 葉がくれにかろく鳴りゐる空蟬の殻

君といふ存在遠きかなしみに昨日と違ふ月の昇りぬ

子といへどここは私のサンクチュアリ汝(な)がスニーカー踏み入るなかれ

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