村上春樹「女のいない男たち」
2014年4月20日、文藝春秋・刊。
本の題通りのモチーフで、6編を収める。
帯のコピー通り、「より深く、より鋭く、予測を超える」。
しかし、女に去られた男たちの物語であって、恋人がいない、あるいはいても結婚できない、成年男女の物語ではない。社会問題の解明を彼に大きく求めるのではないから、それはそれで良い。
また多く、男の側から描かれており、女性心理は比喩的に描かれたりするから、女性には女性の言い分もあるだろう、と僕は思う。
村上春樹が、海外サスペンス小説の翻訳ばかりしているように見えて(いくらファンでも翻訳サスペンスは読まない)、不満だったが、この小説集を読んで、その深化に満足した。
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