斎藤史「「新風十人」より」
大和書房「斎藤史全歌集」(1998年5刷)より、「『新風十人』より」を紹介する。
全歌集では、「魚歌」(7月27日に紹介)、「暦年」(8月3日に紹介)に次いで、3番めに収められている。
しかし全歌集の「別冊」で年譜を見ると、順序は違い、「新風十人」(1940年7月(発行?))、「魚歌」(同年・8月刊)、「暦年」(同年・11月刊)となっている。
「新風十人」には、他に佐藤佐太郎、坪野哲久、前川佐美雄らが参加した。八雲書林・刊。
以下に5首を引く。
天皇陛下万歳と言ひしかるのちおのが額を正に狙はしむ
ひびきなくふかく崩れてゆくもののおびただしさをいふこともなし
事もなく一日過ぎしといふべくは縮みゆく冬の日ざしのくらさ
瞋(いか)りたる我のこころのみじめさは冷えたる飯を噛みておもほゆ
手をあげて砕くすべなき思ひにて眼(め)はみひらきて眠るなりけり
(1部、漢字の旧字を、新字に替えてあります)。
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