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2014年9月20日 (土)

殿村菟絲子「絵硝子」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第9巻(1981年・刊)より、2番めの句集、殿村菟絲子(とのむら・としこ)「絵硝子」を読みおえる。

 今月8日の記事(←リンクしてある)、細見綾子「冬薔薇」に継ぐ。

 原著は、1952年、竹頭社・刊。1949年~1952年の266句「絵硝子」を初めに、1938年~1945年の83句「素描」を後に、置いている。

 水原秋桜子の序文、石田波郷の跋、あとがきと共に収める。

 戦前の句をも収めようと執する心がわからない。

 それに、感情を直接に表わすような言葉が混じる事に、違和を覚える。付箋を貼った前半でも、「清しさ」「かなしき(2回)」「おろかに」「あはれなり」「寂しさ」がある。短い詩型なので、そういう事は避けたほうが良くないか。

 以下に5句を引く。

初蝶にすげなき音ぞ枯木折る

萩が咲き炭買はむなど心急く

猫に言ひ風邪寝の母に告げて出づ

荒廃や夏蝶の群たゞならず

おのがじし雪沓そろへ人住めり

Photoフリー素材サイト「足成」より、団栗の1枚。

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