杉田久女「杉田久女句集」
角川書店「増補 現代俳句大系」第9巻(1981年・刊)より、3番めの句集、「杉田久女句集」を読みおえる。
先の9月20日の記事(←リンクしてある)、殿村菟絲子「絵硝子」に継ぐ。
原著は、杉田久女(1890年~1946年)の没後、1952年に娘・石昌子、かつての師・高浜虚子らの尽力に依って成った。
当時、唯一の句集であったが、1384句は多く、読むのに難渋した。
「人並の才に過ぎざる…」の啄木の1首を思い、また戦後に生きたなら活躍しただろう、とも思った。
以下に5句を引く。
春寒や刻み鋭き小菊の芽
針もてばねむたきまぶた藤の雨
栗むくやたのしみ寝ねし子らの明日
草むらに放ちし虫の高音かな
鍬入れて豆蒔く土をほぐすなり
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