大松達知「ゆりかごのうた」
先の10月22日、ツイッター上で大松達知・第4歌集「ゆりかごのうた」が若山牧水賞受賞、のニュースが流れた。
僕は早速Amazonにアクセスして、当時は最後の1冊をゲットした。27日時点で、Amazonに新品在庫はなく、中古品には大幅なプレミアムが付いている。
大松達知(おおまつ・たつはる)さんのこの歌集には、40歳で初子を得た喜びと共に、教員として生活者としての感慨が、知的ユーモアで作品化されている。
彼は短歌結社「コスモス」のホープである。
これまで結社外の賞に恵まれなかったようだけれど、これからは大きな歌人としての道を歩むだろう。
以下に6首を引く。
死んでのち鮮度うんぬんされてをり食はれちまつた鰺は聞かずも
父と赤子のみ残されるストーリー寝しなに語る不惑の妻は
七日目に<唯我独尊>と言はざれど湯浴みさせればひたによろこぶ
生徒らに起きろと諭し、みどりごに眠れと祈る、はつなつの風
君の通夜までの昼間をわが立ちて三(み)つの授業で笑はせにけり
千人の祖(おや)となるかもしれなくて、おいんくおいんくミルク飲む吾子
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