久保田万太郎「草の丈」
角川書店「増補 現代俳句大系」第9巻(1981年・刊)より、5番めの句集、久保田万太郎「草の丈」を読みおえる。
先の10月16日の記事(←リンクしてある)、野村喜舟「小石川」に継ぐ。
原著は、1952年、創元社・刊、創元社文庫。
初期より敗戦まで、ほぼ既刊の句集より自選、790余句。
自序、安住敦による長文の解説を、共に収める。
久保田万太郎(1889年~1963年)を、僕は食わず嫌いで、彼の小説・戯曲も全く読んでいない。
彼の句には、家庭的不遇の寂しさのかげりがあるとされる。
以下に5句を引く。
双六をひろげて淋し賽一つ
生さぬ仲の親子涼みてゐたりけり
唐紙(からかみ)のあけたて寒に入りにけり
一人だけ雑炊あとはみんな蕎麦
むさしのの寺の一ト間の桃青忌
コメント