岡本かの子「花は勁し」
Google Play ブックスより「青空文庫」発で、岡本かの子の小説「花は勁し」をタブレットにダウンロードし、読みおえた。
同様な方法で読んだ本として、この11月23日の記事で紹介した、「島木健作『赤蛙』」に継ぐ。
華道の家元を継いで前衛華道家として成功してゆく桂子と、無名画家として肺結核で衰えて亡くなる小布施が中心人物である。桂子22歳、小布施20歳の時から長い交際がありながら、小布施は圭子から金銭的・生活的・援助を受ける間柄だった。
桂子の姪、せん子が小布施の身の回りの世話をする内、小布施の子を産み、亡き人の子を守り育てようとして、自足はあるだろうが、先が思いやられて哀れである。
桂子という一人の、生活よりも芸術を取った女性の、栄光と悲惨を描いた小説であろう。
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