上村占魚「自問」
沖積舎「上村占魚全句集」(1991年・刊)より、最終の第10句集、「自問」を読みおえる。
先の8月1日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「かのえさる」に継ぐ。
原著は、1989年、紅書房・刊。768句。
彼は「後書」で、「徹底写生 創意工夫」を道標とする、と述べている。
草津に「自問洞」と称する山荘を設け、それより句集題としている。
この全句集は生前版であり、上村占魚(1920年~1996年)にはこの後、「放眼」「玄妙」の句集がある。容易に入手できるなら、読んでみたい。
「自問」より、5句を引く。
独り笑み独り言いひ春を待つ
早逝の生母のごとく虹淡し
猫の恋聴きながしつつ酒交す
計一つ立たずもはらの寝正月
立秋の水まゐらする虚子の墓
(引用に、旧漢字を新漢字に替えた所があります)。
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