村野四郎「『蒼白な紀行』以後」
筑摩書房「村野四郎全詩集」(1968年・刊)より、最後の「『蒼白な紀行』以後」を読みおえる。
今月7日の記事(←リンクしてあり、クリックすれば記事に飛ぶ)、「蒼白な紀行」に継ぐ。
村野四郎(1901年~1975年)には、「蒼白な紀行」以後に最後の詩集「芸術」があり、これがその詩集に相当するのだろうか。
彼は1966年春、会社会長を辞し、一切の企業から手を引いた。
彼の詩には、人生への、詩への虚無感が濃くなる。
「春」では「死者たちの眼差しが/いたるところに充満しているのに/ぼくを見つめる/一つの眼もない」と盲目の春を嘆き、「春と詩人」では「ほんとうに この病気は超自然だから/そして歌は熱だから 咳だから/けっきょく痰だから」と言い捨てている。
なおこの「村野四郎全詩集」を贈ってくださった、渡辺・K氏に改めて、深い感謝の意を表する。
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