若山牧水「さびしき樹木」
Kindle本「若山牧水大全」より、第11歌集「さびしき樹木」を、タブレットで読みおえる。
今月13日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「白梅集」に継ぐ。
原著は、1918年(大正7年)、南光書院・刊。200首を収める。
自序で牧水は、夏が好みにおいて最も親しいが、心身ともに萎えるその夏と、初秋の作と述べている。
以下に7首を引く。
雀啼くなんといふそのたのしげのほしいままなる啼声かいま
青嵐立たむとならし楢の葉のきらりきらりと朝日に光る
あはれはれ雨かも降ると起き出でて見やればけうとき青葉のひかり
道ややに登りとなれば桑畑のをりをり絶えて雑木の林
暫くは世のことぐさを思はずてひとりぞあらむこの朝風に
さまざまのひとを思ひ倦み起き直り船より見たる沖津辺の浪
松茸のかをりを嗅げば村住の友がこころに触るるおもひす
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