若山牧水「白梅集」
Kindle本「若山牧水大全」より、第10歌集「白梅集」をタブレットで読みおえる。
今月7日の記事(←リンクしてある。クリックすればジャンプする)にアップした、「朝の歌」に継ぐ。
原著は、1917年(大正6年)、抒情詩社・刊。妻・喜志子(247首)との合著であり、牧水は222首。
自序で「ともすれば絶望的な、自暴自棄的な」所が見えると書いている。物を視る目が据わってきたように、僕は思う。
以下に7首を引く。
朝起きの萎えごころか椋の葉にうごける風を見ればいとはし
われと身を思ひ卑しむ眼のまへに吾子こころなう遊びほけたり
夏草の茂りの上にあらはれて風になびける山百合の花
ちからなき足をうごかしあゆまむとあせる甲斐なさいまはやめなむ
酒のめばなみだながるるならはしのそれもひとりの時に限れる
何はあれあたり明るく見え来たりここに斯くあるわれとなりにけり
戸を繰れば雪は背より高かりしその窓かげに今日もこもるか
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